受験勉強の時に感じる焦りや劣等感は、誰しも感じる事だと思います。
これは、初めての受験の時に感じた気持ちと後悔のお話です。
部活の引退と共に受験勉強スタート

中学3年生まで運動部で部活に専念していましたが、中総体を最後についにその生活にも終止符が打たれ、いよいよ本格的に受験勉強が始まっていきました。
元々家庭教師をつけてもらっていた私は、なかなか伸び悩む成績に環境を変えてみようという事で、家庭教師から集団指導の塾へ行く事にしました。時期はちょうど夏期講習の時期でした。
そこに通っているのは同じ中学の子達がほとんどでしたが、皆様々なレベルを目指していて、同じくらいの成績の子もいれば、私が目指す事もできない様なハイレベルの学校を志望している子もいました。
私にとって初めての塾通いだったので、自分がどの様に頑張っていったらいいか、初めはわかりませんでした。
危機感ゼロ

そもそも受験というものが初めての経験だったので、入塾した当初は今自分が志望校に対してどのくらいの実力があるのかなど、あまりピンときていなかったのが正直な感情でした。
危機感というものもまるでなく、むしろ塾に入ったという事だけで変な安心感を覚えてしまっている状態でした。
元々何事ものんびり構えてしまう性格で、塾に入って先生の言うとおりに勉強していけば志望校に入れると、今思うとかなり浅はかで単純な思考ですが、当時は本当にそう思っていたのです。
焦りと不安

同じ教室で授業を受ける子たちは、面識はあったもののお互いの成績がどの位のレベルなのかという事まではわかりませんでした。
なので勝手に、一緒に勉強するのだから同じくらいの成績なのかな?と思っていました。
入塾してからよく話すようになった子がいて、私はその子の成績を初めて知った時、自分の中に焦りと不安感が現れていくのをはっきりと感じました。
彼女の成績はとても優秀でした。志望校は私の住んでいた地域で1、2位を争う位偏差値も倍率も高い人気の進学校でした。
目指すところが違うんだ、と私は思ったのと同時に、自分はこのままのモチベーションでいていいのだろうか?とも思いました。
志望校

焦りを覚えたものの、人というのはなかなか変われないもので、なかなか受験に打ち込む事ができずにいました。
大人になった今となっては、過去に戻れるなら受験がいかに重要なものなのか、この先私がどの様な後悔をするのか、全て当時の自分に言ってやりたいと思うのですが、この時の自分は勉強に向き合うことが出来ずに逃げてばかりでした。
塾には休まず通っていましたがそれだけで勉強した気になっていて、もちろん塾だけの勉強では足りるはずもなく、成績は伸び悩む一方でした。
私は自分の実力に自信が持てず、第一志望の高校を諦め、塾長が勧めてくれた高校に決めました。
仲良く話していた成績優秀な彼女も、周りのみんなも大体は自分が元々志望していた高校を受ける事に決めた様でした。決めたあとの彼女達は、どことなくキラキラしている様に見えました。
すごいな、と尊敬の気持ちを感じながら、勉強に打ち込めずに志望校を変える事になってしまった自分を情けなく思いました。
目指す高校がわからず、直前でその時の自分の成績をみて志望校を決めた子もいましたが、私には初めから目標とする高校があったにも関わらず、最後までそこを目指して突っ走る事が出来なかったのです。
もし最後の最後まで自分の目標に真っ直ぐ向き合えていたら、彼女達の様にキラキラとした表情をしていたのかもしれないと思うと、自分の不甲斐なさに怒りを覚えました。
失敗の言い訳

志望校を変えたことで、私はその後無事に合格できたのですが、何か失敗をしたり嫌な事があると、心の中で
「行きたかった学校はここじゃなかった。」
と思ってしまっている自分がいる事に気づきました。
全て勉強と向き合えなかった自分が悪いのですが、何かことある毎にこれを理由にしてまた現実から逃げていたのです。本当に情けないと思いましたが、当時の空っぽの頭ではこう思うしかなかったのでしょう。
そんな後悔が募る高校受験でしたが、その後は周りの協力や支えがありなんとか自分の好きなものを追いかけ続け、今では自分のやりたかった職種に就く事ができています。
苦い経験でしたが、それも私自身を成長させてくれた一部として、あの時の悔しさを忘れずにこれからも前に進んでいこうと思います。
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