児童養護施設の受験生の話し

受験をする事の意味!施設で育った私が受験を通して知った事…。

児童養護施設

私は中学生の頃、家庭環境が良くなく、児童養護施設という場所で生活していました。
そこは、子供を保護し、普通の家庭と同じように暮らしていけるよう支援する場所。
家で生活するより、まともな生活ができていました。

 

高校行かないで就職したい!

中三になり、進路を考え出す頃。
周りのとまだちは高校へ進学。それが当たり前でした。
”お前進路どうするんだ?そろそろ決めないとこまるぞ”
担任から呼び出され、言われました。
”私進学したくありません。仕事したいんですけど”
私は進学なんて考えたこと一度もありませんでした。
むしろ、仕事し早く自立し大人になりたかった。
なにかと言っては、保護者保護者。
書類に保護者の印がないと何も進まない事に嫌気がさしていました。

施設に帰ると、”おい”と呼び止める声が。
そこには、私の事を自分のことの様に接してくれ
心から心配し、叱ってくれる父親代わりの施設の先生が。
”担任から連絡来て、進学しないって言ったって。本当か?”
何だか少し怒っているようでした。
”うん。高校行かないで就職する。”
それを聞くなり、応接間に連れていかれ話をすることに。
”いいか?働くって大変なんだぞ。何で就職なんだ?”
この反応、さっきの担任と一緒じゃん。と思いながら
”早く自立したい。何でも親に頼りたくないし、関わりたくない。”
私がそう言うと、少し悲しそうな表情に、、、。
”そうっか。でもな。俺はちゃんと高校に行ってほしい。
君の幸せはこれから自分でつくって行くんだよ。これからきっと
色々な選択をしていく。選択をするときに、未来に繋がる選択が
多い方がいいんだよ。きっと高校に行って、色々な人と関わって行くことで
今と違う景色が見えてくる。またその時に将来の事考えたらいいと思う”
そんなふに考えたことも、自分の幸せなんて考えたことも無かった。
ただただ自立だけを考え前へ前へ進むことしか考えていなかったんだと
思いました。

高校進学の準備

幸せの選択を増やすために高校へ進学。
その言葉を聞いて、高校進学してみようと決めました。

しかし、決めたのが遅い。そして今まで進学をする気が無かった
ものですから、遅刻、赤点当たり前で、、、。
進学決めてはいいが、行けるかという問題に。
”とりあえず、進学決めて良かった。でも五教科100点は取らないと”
担任に言われ、その日からやっと受験勉強を開始。
勉強の嫌いな私が、集中力のない私が、、、。
続くわけもなく、もって一時間。
もーしたくなくて。
”勉強頑張ったら、携帯考えてもいいよ”
父親代わりの先生が、勉強をしない私に一言。
施設では当時携帯を持つのはバイトをして、自分で支払いができるように
なってから。という決まりがあったのです。
神様のような言葉を聞き、その日から最低でも一時間。
ルールを決めて、実行する。ただそれだけの事でしたが
集中力は前とは比べ物にならないぐらい質が良くなりました。

勉強頑張ったら携帯もらえる!

テストの日。朝玄関を出るとき
”携帯楽しみだ”
と父親代わりの先生が声をかけてくれました。
問題用紙を見ると、分からないのですぐに寝てしまうのですが
なんと、分かるのです。完璧に全部分かるまではいかなくても
答案用紙を埋める事はできました。
不思議と達成感の様な”やったー”と心で声をあげていました。

三者面談で成績と進路の話をする日。
ドキドキして不安で行きたくなかったです。
”頑張ったな。高校行けるぞ”
担任がニコニコしながら言っています。
結果用紙を見ると五教科120点取れていました。
”やったー”
父親代わりの先生と喜びました。
高校受験は学校推薦で行くことに。今までの成績と遅刻早退が良くなく、、、。

私にとって受験勉強は今までで一番勉強をしたときだったと思うし
自分の人生を、幸せとは何か始めて向き合った時だったと思います。

shin0009著

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