勉強方法を工夫した話し

徹夜勉強で失敗!計画的学習の大切さを知った日

焦りと無計画なスタート

拓也は高校3年生で、ずっとサッカー部一筋だった。練習は毎日ハードで、平日も週末も休む暇なんてなかった。そんな日々に夢中で、気づけば引退の時期になり、ようやく勉強に手をつけることになった。

「みんな、いつの間にそんなに勉強してたの?」

進路指導の先生から成績表を見せられ、思わずため息が出た。サッカー漬けの生活を送っていたせいで、模試の結果は散々なもの。けれども、拓也は「体力には自信があるし、根性でどうにかなる」と信じていた。試合前に徹夜したことも何度もあったから、勉強だって乗り切れると思ったのだ。

「とにかく時間がない。今夜は一気に詰め込んでやる!」

そう意気込んで、拓也は参考書とノートを机いっぱいに広げた。

失敗した徹夜と体調不良

模試の前夜、拓也は机に向かい、参考書を開く。気合を入れて夜通し勉強するつもりだったが、始めた瞬間から問題に詰まりまくる。

「え、これどうやるんだっけ……公式、覚えてねぇ……」

無理やり目をこすりながらノートをめくっても、頭に入らない。時計を見れば、すでに深夜2時。「もう少しやるか」と続けたが、朝方には頭が回らなくなり、ついウトウトしてしまう。

翌朝、模試会場に向かう拓也。寝不足と疲労のダブルパンチで、目はぼんやり、頭は重い。「まあ、なんとかなるっしょ」と思って挑むが、試験が始まっても問題が全く解けない。

「……なんだこれ、見たことない問題ばっかりじゃん」

途中で目を閉じかける瞬間もあり、結局ろくに手も動かないまま模試は終了。自己採点の結果は、思わず目を覆いたくなるような惨敗。

「こんなに頑張ったのに……」

拓也は家に帰ると、そのまま布団に倒れ込んだ。

計画的学習へのきっかけ

模試での失敗が、拓也にとっては大きなショックだった。部活では根性で何とかなることが多かったが、勉強は違う。「体力さえあれば乗り切れる」と思っていた自分が、バカに思えた。

そんなとき、クラスメートの健太に声をかけられる。

「お前、ちゃんと計画立ててる? 一夜漬けじゃ無理だろ」
「いや、正直焦ってたからさ……徹夜で何とかなると思ってた」

健太は笑って、スマホを見せた。そこには、1日ごとに細かく分けられた勉強スケジュールが並んでいる。

「俺も最初は無理だったけど、ちょっとずつやるとマジで変わるぞ。130分でもいいからさ、続けたら全然違う」

拓也は健太の言葉に半信半疑だったが、「ダメ元でやってみるか」と思い、勉強の計画を立ててみることにした。英単語を10個覚える、数学の問題を3問解く――そんな小さな目標から始めることにした。

小さな成功体験の積み重ね

計画的に勉強を始めた拓也だったが、最初は思うようにいかず、イライラすることも多かった。けれど「今日はここまで」と目標を決めたおかげで無理なく続けられ、小さな達成感が積み重なっていった。

「お、解けた! ちょっとずつだけど、進んでる気がする」

繰り返し勉強する中で、「この問題はあの公式だな」と気づく瞬間が増え、自信がついてきた。以前は解けなかった英語の長文も、スムーズに読めるようになり、進歩を実感できた。模試の結果も少しずつ上がり、自己ベストを出したときは思わずガッツポーズをした。

「やっぱり、無理するより計画的にやる方がいいんだな」

拓也は、部活と同じように勉強にも積み重ねと戦略が大事だと気づいた。焦らず一歩ずつ進むことで、不安よりも自信が上回り、次の挑戦に向けて前向きな気持ちで取り組めるようになっていた。

本番当日と新しい未来への一歩

そして、いよいよ迎えた受験本番の日。拓也は万全の体調で試験に挑むことができた。試験前夜も早めに寝て、当日は朝からすっきりと目が覚めた。

「よし、やるだけやったんだから、後悔はない」

試験会場では、今までの努力を信じて、冷静に問題に取り組んだ。分からない問題もあったけれど、「次に進もう」と焦らず対処することができた。試験後はやり切った気持ちでいっぱいだった。

「できることは全部やった。結果はどうあれ、悔いはない」

試験の結果が出るまでは不安もあったけれど、拓也はすでに新しい自分に気づいていた。あの徹夜の失敗から学んだこと――「計画的に進める大切さ」は、これからの人生でも役立つだろうと感じていた。

その日、試験会場を後にする拓也の目には、すでに次の挑戦への決意が映っていた。

こうして、拓也の受験の物語は静かに終わりを迎えた。春の訪れが、彼の新しい未来を優しく祝福していた。

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