バランスの取れた受験勉強の話し

勉強ばかりじゃダメ!休息を取ることの大切さ。

教育熱心な家族

私はどこにでもあるような一般の家庭に3人姉妹の長女として生まれました。

父親は大学を卒業していましたが母親は大学受験に失敗した過去があり、同じ失敗を繰り返さないようにと、私にはかなり教育熱心な面がありました。

小学校に入る前から英語教室にそろばん教室、習字教室にスイミングスクールと大人顔負けの多忙さでした。

私自身も下の二人の妹たちの手本になるという責任感から、母の期待に応えようと与えられるものは何でもこなそうと努力しました。

幼い時からそのような生活だったため、周りの子たちと一緒に遊ぶということをあまりしてこず、ただ真面目にひたすら勉強するだけの日々でした。

流行りを知らない中学時代

中学生になってから入った進学塾で、毎日四時間以上勉強していました。

学校が休みの日もほとんど塾があったため、実質休みは月に一回もないことがほとんど。

それだけ勉強ばかりなので、学校での成績は非常に良かったです。

高校受験も先生からは「名前を書けばどこでも受かる(笑)」と冗談を言われるほどでした。

しかし私はそれが嬉しいことだと思ったことはありませんでした。

いつも机に向かっているせいで遊びやテレビを観ることもなく、同世代の子たちの流行りを全く知りません。

皆が楽しそうに盛り上がっている話題についていくこともできなくて、いつも「へぇー」っと話を聞くだけ。

楽しそうだなぁという羨ましい気持ちと同時に疎外感を感じていました。

久々の休息

私は勉強の甲斐もあって、無事に志望していた進学校へ進学することができました。

(きっと私と同じ境遇の子たちばっかりなんだろう。)

私はそう思っていました。しかし、実際は全く違いました。

誰の話を聞いても、中学時代に楽しかった遊びや流行りのアーティストの話ばっかり。

私が勉強づくしだった話をすると、

「絶対耐えられない(笑)」

と新しくできた友人に言われたものです。

実際に友人はよく遊びに行っているようですが、成績は学校内でも上から数えた方が早い方。

私の話を聞いた友人は私を哀れんだのか、休みの日に一緒に遊ぼうと誘ってくれました。

外で遊ぶのなんて小学校の低学年ぶりくらい。

どんな服を着て行ったらいいのかもわからないし、メイクなんて道具すら持ってません。

それでも友人は「大丈夫だから私に任せなさい!(笑)」と言ってくれました。

 

私は嬉しさのあまり、学校から帰ってからすぐ母親に遊びのことを報告しました。

すると母親はとても怒った顔をして言いました。

「アンタ勉強はどうしたの?遊んでる場合じゃないでしょ?」

母親の、自分と同じように失敗を繰り返してほしくない気持ち。

それは伝わってきましたが、私だって同級生たちと遊びたい気持ち、たまには羽を伸ばして息抜きしたい気持ちがあります。

自分の気持ちを知ってほしい。まったく私の気持ちをわかってくれない母親に、ついつい口調も荒くなってしまいます。

そんな私と母親の言い争いを治めてくれたのは父親でした。

「まあまあ、人間ちょっとくらい休息もないともたないんだからいいじゃないか。」

「それなら好きにしなさい!!」

私はその日からしばらく母親と仲が悪くなり口を利かなくなりましたが、父親がフォローしてくれたおかげで久々の休息を取ることができました。

 

休みの日、友人に連れられた私は久々の休日を満喫していました。

毎日ほとんどの時間を椅子に座って過ごしていた私にとって、太陽の日差しの当たりながら友人と笑い歩いている時間は、本当に新鮮で気持ちがよかったです。

友人は私と一緒に服選びをしてくれたり、雑貨屋で面白いアイテムをたくさん見つけては私にプレゼントしてくれたり、とても親切にしてくれました。

私はその日一日で、今まで経験してこなかったことをギュッとまとめて経験しているような気分でした。

週一回のリフレッシュデー

その日私が家に帰ると、怒っていると思っていた母親が心配そうに私の帰りを待っていました。

そして夜、父親もいる時に母親は私に謝りました。

「ごめんね。お母さんも昔遊ばずに毎日勉強して過ごして、結局途中で力尽きて大学受験に失敗したの。あなたに同じことをさせようとしてた。」

母親は私のいない間に、父親と話し合いをしていたようでした。

母親も私と同じ長女で、家族や親戚の期待をすべて背負い学生時代に苦労したそうです。

大学受験に失敗した時も、「気合が足りないからだ!」と周りから言われたことをずっと引きずってしまい、同じ境遇の私には失敗させないとプレッシャーをかけてしまったということでした。

私は初めて母親の苦労をそこで知りました。

それと同時に、私は絶対に大学受験に合格しようと思いました。

 

その日から、私は週に1回は休憩の日を取ることができるようになりました。

そのかわり今まで以上に、休んだ後は気を引き締めて勉強に励みました。

このオンオフをしっかりつけることができたおかげで集中力がぐんと上がり、成績も右肩上がりでした。

そして私が志望している大学に合格した時、母親も休むことの大切さを学んだと言ってくれました。

 

勉強や仕事をすることと、遊んだり休んだりすること。

どちらか一方だけでは、いつか人は崩れてしまいます。

学生時代に知れたそのバランスを取ることの大切さは、今の人生でも大いに役立っています。

kosako著

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