危険物乙四の資格試験の話し

【資格】転職するために勉強した話

差し迫った脅威

30代に差し掛かったころに転職をした。

妻と1歳になる子供がいて、手取り20万円前後では暮らしていけないと思ったからだ。紆余曲折あり、運輸業のとある会社へ入社することに成功。与えられた業務を愚直にこなし、着々と実績を積み重ねていった。

第2子が生まれるにあたって、育休を申請。休業から2か月が経過して職場へ復帰したものの、完全にのけ者にされてしまった。通称「干された」ということである。

昭和体質の会社で育休を取ったのだから、当然と言えばそうかもしれない。「1年頑張ってみれば、現状は変わるかもだろう」と自分に言い聞かせて、努力してきたが何も変わらなかった。

朝から晩まで仕事をしている上に、保育園に通う上の子と新生児が居る家で、家事育児の負担がすべて妻となってしまった。遅かれ早かれ家庭が崩壊する可能性が見えてきた。

「このままこの会社に居ても、、、」転職に心が動き始めた。

 

転がる先はどこへ

職場の複数の同僚に話を聞いてみると、「タンクローリー」はどうかと推奨を受けた。

一般的に、ガソリンを積載して街中のガソリンスタンド等に配送する仕事である。お給与もそこそこだし、今の会社よりも自宅から近いところに数件会社があるので、やってみる価値はあると思い立った。

調べてみると、“牽引”の免許と“危険物乙四”の資格が必要らしい。さらに、“高圧ガス移動監視者”なるものも取れば、ガソリンだけでなく、可燃性ガスやLPガスなども配送可能になるとのこと。

牽引免許は取得済みだったので、“危険物乙四(以下、乙四)”と“高圧ガス移動監視者(以下、高圧ガス)”の2つの資格をいっぺんに取ろうと考えた。

 

勉強開始

乙四は、年に数回ある筆記試験を受ける。高圧ガスは2日間の講習と筆記試験を受ければ資格が取得できるとわかった。

Amazonで乙四の参考書と過去問を購入。高圧ガスの講習を申込み、受講日に有給をあてがうことにした。

下準備が完了して、早速乙四の勉強から始めた。

“特殊引火物、第一石油類、ジエチルエーテル、ベンゼン、ガソリン、保管方法、取扱い方法”などなど、暗記することが沢山ありすぎて挫折しそう。

自宅では子供がいるし、とても勉強できる環境ではないので、仕事の合間にやることに決めた。恵まれていることに、午前の仕事を終えて、午後の仕事まで2時間程度空いているのだ。

職場の建物にあるフリー休憩所の机を占領して、参考書と過去問を睨めっこすること3か月。周囲に人が居ても、耳障りな会話が聞こえてきても、睡魔が襲ってきても気にしなかった。

気にしていられなかった。そこまで頑張れたのは、現状を打破したい強い思いが後押ししたからだ。

 

高圧ガス移動監視者講習

乙四の勉強をしつつも、高圧ガスの講習がやってきた。

会場はとある保安会館だった。集まった人を観察してみると、会社の制服姿の方が多く、個人で受講しに来ている人は少ない印象だった。

受講するにあたって15,000円もの受講料を収めているので、絶対に落ちることは許されない。自分で身銭を切る思いで挑んでいるので、真剣さが全く違う。

講師からの言葉を一言一句聞き漏らさないように注力していたが、「ここ重要!」と試験問題に出るだろうと思われる箇所を教えてくれるので、勉強する範囲が少しは狭まって安心した。

講習を進めていくと、若干乙四と被る部分もあったので、すんなりと知識を吸収する部分もあった。

筆記試験日。試験開始までの間に、講師から重要だと指摘された箇所を何回も復習。

いざ試験に挑んでみると、ほぼ全問正解なのでは!?と思えるほどの手ごたえがあった。

 

危険物乙四試験

休日に某大学へ足を運ぶ。

老若男女が集う教室へ入り、静かに開始時間まで待つ。ここまで毎日勉強を積み重ねてきたので、後悔はない。自分が積み重ねてきた勉強時間が、おのずと結果に結びついてくれると思い、潔く教室内で復習するのをやめた。

「早く終わった人は指定された時間になったら退室しても構わない」試験官から説明があったので、”それまでに終わらせてやろう”と意気込んで試験開始。

おぉ!?解けるぞ。

1問目の勢いで、最後までスラスラと解答用紙を埋める。途中退室可能時間前に回答が終わったので、最初から見直して終了。

試験が終わった人が外に出て、「どうだった?」と興奮冷めやらぬ様子で話しているのをよそ目に帰宅した。

 

転職

結局タンクローリーの会社へ入社することはなかった。

他に良い就職先が見つかったからだ。

ところで、二つの資格はどうなったかというと、どちらも取得することができた。

今はその資格を活用する機会にはないが、あの時に勉強した経験は無駄ではなかった。

目標に向かって努力をして結果を出せた経験は、私でもやれば出来るという自信につながった。

いつか資格が役に立つ日が、やってきたら幸いである。

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