高1、勉強に目覚める

私は小さい頃から勉強はまずまずできる方だった。
とは言ってもトップクラスが取れるほどではなく、平均より少し上というレベルだ。
中学の時は、反抗期もあって一時期かなり成績が下がっていた。
高校に入ってからも、決して落ちこぼれではないが、学年で目立つほどの成績ではなかった。
それに対して私の姉は、近所でも評判の秀才だった。
中学の頃から、親から「勉強しろ」と言われることもなく、決してガリ勉でもない。
しかしいつでも学年トップの成績だった。
私はそんな姉を誇りに思っていたし、自慢の姉だった。
今考えると、親から比較されたことはあまりないような気がするが、当時の私は「姉と比べられている」という被害妄想のようなものがあったのは確かだ。
とはいえ、自分は姉のようにはできないと諦めていた。
そんな私が、高校1年の時、何が原因でそう思ったのか、理由はよく覚えていないが、「ちょっと本気で勉強してみようかな。」と思って一念発起をした。
高校のレベルはさほど高くなかった。
上位の生徒は国立大学も狙えるが、下位の生徒は高校を卒業すると就職をする。
そんな高校だった。
中学までは、テスト勉強をあまりせずにいた私が、突如としてテスト前に猛勉強を始めた。
高校1年の3学期のことだった。
成績アップ

テスト勉強は、それまでしたことがないほど勉強をした。
苦手科目はさておき、得意科目はテスト範囲を全て舐めるように復習したし、苦手科目も、記憶できるものは徹底的に憶えた。
そうして挑んだ定期テスト。
それまでは学年で50番程度だった順位が、一躍10番以内にアップしたのだ。
「なんだ、やればこのくらい楽勝じゃん!」
そうなったら勉強も楽しくなってきた。
2年になると、それまでやらなかった授業の予習復習をやるようになり、テスト勉強も寝る間を惜しんでするようになった。
そうすると、ますます成績は伸びていく。
私の高校は、テストの平均点が80点以上の生徒は、学期の終業式に全校生徒の前で名前を呼ばれた。
2年の1学期、私は初めて80点平均を取り、全校生徒の前で名前を呼ばれることになった。
私の名前が呼ばれた時の周りのざわつきは、今でも忘れられない。
なぜなら、私の高校には、同じ中学出身の友人がたくさんいたからだ。
彼らは私の中学の時の成績も知っている。
中学の頃から私よりもずっといい成績をとっていた友人は、名前を呼ばれず、いきなり私の名前が呼ばれたことで、皆驚いたのだ。
私は、生まれて初めて優越感というものを感じた。
姉には敵うはずがないという思い込みで、自ら自分の限界を決めつけて諦めていたからだ。
それからは、もう成績を落とせないという気持ちもあり、成績維持のため頑張って勉強した。
仲間はずれ

それと同じ頃、私はクラスで仲間はずれのような状態になっていた。
新しい学年になり、クラスが変わったのだが、そこにはある女子をリーダーにしたグループが存在した。
その仲間に入るように誘われたのだが、多人数で連むことが嫌いだった私はそれを断った。
そうしたところ、そのグループから無視をされるようになったのだ。
今で言うなら「いじめ」なのかもしれない。
しかしその時私には、やはり連むことを好まない友人がいた。
そのため私は幸いにも「一人ぼっち」にはならずに済んだ。
あとは、成績を維持して、私を仲間はずれにしている連中に文句を言わせないようにすること。
そのために私は必死に勉強をした。
塾に通わなかった私の勉強法は、授業の予習復習、特に復習をすることだった。
授業中にやった問題を、その日のうちにもう一度解く。
そして問題集を使って、同様の問題を解く。
そうすると、段々と難しい問題も解けるようになっていく。
私の成績は、学年でも5番以内に入るものになっていった。
その当時は辛かったが、仲間はずれにされたことが、自分を向上させることになったのだから、感謝をしなければならない。
受験生

3年になり、仲の悪かったクラスメートとはクラスが別になった。
理系コースに進んだこともあり、クラスの4分の3は男子だったので、友人関係で悩むことも無くなった。
そのため私は、受験に専念できるようになった。
同じクラスになったライバルと成績を競い、解らなければ教え合い、切磋琢磨しながら成績を伸ばしていった。
そんな中でも私の成績の維持に一番貢献していたのは、授業の復習だったと思う。
授業の復習をしっかりしていたおかげで、基礎がしっかりと固まっていたので、受験勉強もスムーズに進んだ。
勉強は、インプットとアウトプットが大切だと言われる。
インプットして分かったつもりでいても、何度もアウトプットをしなければ、本当の意味での理解は難しい。
私は高校時代にそれを実感した。
そのおかげで受験も無事に乗り切ることができ、希望大学にも合格。
「勉強は復習が大切。」
今親になり、子供にはしつこいほどにそれを伝えている。
hoejve著
因数分解の動画