受験生と家族との話し

男手一つで育った僕!大学受験の先にある道と幸せ!

男手一つで育った僕!大学受験の先にある道と幸せ!

皆様は、受験の経験はあるでしょうか?

高校や大学、中学校など様々なタイミングで経験しますが、どれも結果を出すことに苦労された方は多いと思います。

そして何を隠そう私もその一人です。ただ、私の場合、どうしても大学に受かりたい理由がありました。

これから皆様にご紹介するのは、私の大学受験までの軌跡と受かりたかった理由に関するお話です。

僕と父

男手一つで育った僕!大学受験の先にある道と幸せ!

当時、高校3年生だった私は勉強があまり得意ではなく、自分を必死に勇気付けながら勉学に励んでおりました。

何かとても大げさな言い方をしましたが、これには理由がありました。
しかし先ずは、私の当時の環境をご紹介しましょう。

高校時代、私が一緒に住んでいた家族は父親だけでした。

と言いますのも、私が小学生の時に父と母は離婚したのです。妹は母に引き取られ、私を父が引き取ることになったのです。

父は寡黙とまでは言いませんがあまり喋らない人で、私は父とあまり会話をしない日々を送っておりました。

「お父さん、このプリントにお父さんのハンコが必要だって」

「分かった」

私と父の日々の会話は本当にこんな程度で、ご飯も別々に食べておりましたので、何となくお互い冷めた関係が続いておりました。

そんな中、私も高校生くらいになると父親の大変さ、離婚とはどんな状況なのかを理解できるようになってくるものです。そして、私は父にある提案をしました。

「お父さん、アルバイトしていい?アルバイトをすれば、僕もお金を稼げるようになるよ!」

私は、日々仕事でお金を稼いでいる父親を見ていて、何か役に立てないかと考えたのです。しかし、父の反応は、

「今は学校に集中しろ。受験もあるだろう」

と、私の提案には不賛成でした。

「でも、お金を稼げれば少しは生活も楽になるよ」

私は、さらに説得を続けてみましたが、

「お金なら父さんが稼ぐからいい。お前が大学に入れたら、後は好きにすればいいだろう」

父は、そう言ってあまり相手にはしてくれませんでした。

しかし、私は勉強が不得意であまり受験も乗り気ではなく、高校卒業したら働こうと思っておりました。それでも、父の反応を見ているとそれも難しそうです。

「わかったよ」

私は、あまり納得のいかないままに高校生活を過ごすことになりました。

ある決意

男手一つで育った僕!大学受験の先にある道と幸せ!

私が高校3年生になった時の事です。珍しく父親と一緒にご飯を食べる機会があり、私達はあるテレビ番組を見ておりました。それは「日本のグルメツアー」という番組で、各都道府県のご当地食材を追い求め、その食材を使った各県の料理を堪能していくという趣旨の内容でした。その番組のシーンで香川県のうどんが取り扱われた時に、父がぼそっと言いました。

「香川のうどんは旨いらしいな」

私は、あまり喋らない父親の一言にすぐに反応ができませんでしたが、少し間を置いて、

「うどん好きなの?」

と、問いかけたところ、

「あぁ、よく学生の頃食べたよ。別にうどんなんていつでも食べられるけど、店やテレビで見るとつい反応しちゃうな」

そして、あまり喋らない父の口から思わぬ言葉が飛び出したのです。

「今度、近くのうどん屋にでも一緒に行くか?」

私は、呟くように「うん…」と答えただけでしたが、何だか心の重みが取れたような,スッとした気分になったのです。

そして、そんな気分に久しぶりになったからなのか、私はある事が頭に浮かんだのです。

(大学に行ったら…はやくアルバイトをして…そのお金でお父さんにうどんを奢るのはどうだろうか…)

私は今でもこの時の自分の発想は奇跡だと思っています。何故なら、この発想が無ければ、多分、今の人生は無かったかもしれないからです。

私はこの時、一気にモチベーションが上がりました。

険しい大学への道

男手一つで育った僕!大学受験の先にある道と幸せ!

私の中で密かに、そして確かな強い熱を持った目標が立ち、私は何が何でも大学に合格してやるという気持ちになりました。

(別に有名校じゃなくてもいい。とにかく今自分の入れる大学を探して、そこに向けて勉強するんだ!)

自分で言うのもあれですが、その時の私は冴えていたと思います。

自分が勉強が不得意なのは知っていたので、ただ受験勉強をするのではなく、先ず今の自分で入れる可能性がある大学を探したのです。勿論、あまりそんな大学はありませんでしたが、何とか狙いを絞って勉強を少しずつ進めていきました。

そして日を追うごとに私は、「あまり勉強に得意ではないという気持ち」と「でも父親にうどんを奢りたい」という葛藤に似た気持ちを背負ったまま、「必死」に勉強しておりました。

勿論、必死なのは受験突破もそうですが、アルバイトしたいという強い気持ちがあったからです。

そして何とか私はギリギリだったと思いますが、受験を突破することができたのでした。

これからの僕と父

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大学に入学してからは勉強に付いていくことで精一杯でしたが、少し落ち着いてからは夢にまで見たアルバイトを出来るようになりました。そして、少しお金が溜まってきたところで私は父に提案をしたのです。

「今度、あそこのうどん屋に行かない?勿論、僕のおごりでね!」

父は突然の私の言葉に少し驚いていたようですが、すぐに

「あぁ、分かったよ」

と言ってくれたのでした。

この大学受験の体験は、私にとって今でも一番大切な思い出です。

あの時私がアルバイトをしたいと言った時に、父が私の事を考えて高校生活に専念させてくれたことは、本当に感謝をしてもしきれません。

男手一つで私の生活費を稼いで私を育ててくれ、大学入学後も私が社会人になるまで見守ってくれた父は、私にとってとても尊敬できる人となりました。

そして私は次の目標を決めたのです。

それは、今度は自分がお金を稼いで父親に少しずつ恩返しをしていくことです。

私は今では父親とは別の住居に住んでおりますが、最近覚えた料理でうどんを作りによく父の家に行っております。

この恩返しがずっと続けられることを願いながら日々を過ごしております。

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