定時制高校に入った話し

いじめで不登校になった私。救ったのは図書館の存在。

転勤族の父に連れられて

私は幼いころから父親と二人暮らし。

母親の記憶はなく近くに親戚もいなかったため、転勤族だった父親に連れられて各地を転々とする生活を送っていました。

小学生の頃は4回転校をしていて、その度に新しい学校、新しいクラスメイトに慣れる必要がありました。

最初のうちはクラスメイトと仲良くしようと頑張っていた私。

しかし毎回引っ越しになるたびに、せっかく作った友達とお別れしなければなりません。

私はそれがものすごく苦痛で、お別れ会でもらった手紙を見ながら家で泣くこともよくありました。

高学年にもなると、

(どうせ、友達作ってもすぐ引っ越すし……。)

と、友達作りに積極的になれないでいました。

その頃には友達を作らないことは私にとって、特に問題にならなくなっていました。

元々一人っ子で一人で遊ぶことには慣れていたし、何よりも読書という趣味を見つけたからです。

どこに引っ越しても、本だけはいつも一緒でした。

馴染めない学校生活

中学生になる前に父親から、

「一人で生活することになるけど一つの学校に行きたいよな。」

と言われ、私は親戚のいる県まで引っ越し、そこの中学校へ通うことになりました。

そこの中学校は2校の小学校が合併していて、もう既に各々グループを作っているみたいでした。

そんな中、今まで友達を作らなかった私がクラスに馴染めるはずがありません。

 

「どこの小学校の子?」

「知らない、声かけてみなよ(笑)」

「嫌だよ、お前が行けよ(笑)」

 

クラスのどこからかそんな声が聞えてきました。

(この感じ嫌だなぁ……。)

私はそのアウェイな空気に息が詰まる思いでした。

そんなネガティブなオーラが出ていたのか、最初こそからかい半分で話しかけられていたものが、無視されたり物を隠されたり、陰湿ないじめに発展していってしまいました。

私は徐々にそのいじめに耐えられなくなり、中学校に入って半年くらいで不登校気味になっていきました。

 

父親は単身赴任だったため、私の家へは定期的に親戚が訪ねてきていました。

私が不登校になっているのも親戚に連絡されており、親戚が家に訪ねてくるたびに、

「お父さんはアンタのために頑張ってるんだから、甘えてちゃダメだよ!」

と、お説教をしてきました。

(私は甘えてるの?周りがいじめてくるのにそれはいいの?)

私はいじめそっちのけで、私に非がある甘えているという親戚の言葉にものすごく傷つきました。

父親が私のために頑張ってくれているのは分かっています。

しかし、だからといって何事にも耐えろというのは私には無理でした。

次第に私は親戚にも会いたくない、家にも居場所がない、そしてこんな状況に置いている父親にも反抗心が芽生えていました。

図書館だけが居場所

そんな私が見つけた居場所は近所にある図書館でした。

小学生の頃から引っ越し先の近所の図書館に通っていた私は、静かで一人だけになれる空間を求めて図書館に逃げ込むようになります。

そこでは誰も私に詮索してこないし、大好きな読書に没頭できます。

何度か通っていると司書さんと会話することも増えて、「新しい本あるよ!」とか「あの本面白かった?」とか訪ねてきてくれて、日常の嫌なことを忘れさせてくれる避難場所のような空間になっていました。

しかし、日が経つにつれて私の中に焦りが出てきます。

(本当は学校で勉強したいのに、ここにいていいんだろうか?)

私はおもむろに参考書を手に取り、それを借りることにしました。

すると司書さんが、

「学校の勉強はここでやってもいいからね。あ、消しゴムのカスだけは綺麗にしていってね!」

と、私が考えていることを見透かしているようにそう言いました。

それから私は学校でもらうプリントを図書館でするようになり、週に数日は教室ではなく保健室に登校するようになりました。

教室に通うことはできませんでしたが、まったく学校に行けなかったことに比べると保健室登校でも、私にとって大きな進歩でした。

通信制高校へ

私は中学卒業後、通信制高校へ通うことになりました。

週に数回通学の日がありますが、それ以外は自由。

私はその自由な時間を使って、本屋さんでアルバイトをしながら勉強に励みました。

その頃には親戚も、私に説教臭いことを言わないようになり、むしろそういうやり方があったのか!と私が見つけたやり方に関心してくれるようになりました。

 

今はどんな人にもたくさんの選択肢がある時代。

それを見つけるのも選ぶのも大変ですが、自分に合った方法を見つけられたらきっと人生いい方向に進んでいくと、そう感じます。

 

tanuki著

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