皆さん受験勉強はどのように進めているでしょうか。
一人で黙々と行う人。グループで集まって行う人。塾で競いながら行う人。それぞれ色々な人がいると思います。
どのやり方が正解ということは無いと思います。それぞれに合った形で行うのが一番効果的ではないでしょうか。
ただちょっとしたことで、自分に合った形にたどり着けないこともあります。
自分はどうか見直す意味でも参考にしてみて下さい。
A君とB子さん
A君は当時中学2年生でした。運動部に所属し、3年生からは部長を務めることになります。
性格はまじめですが決して硬すぎるわけではなく、周りに友達も多い、良い意味での普通の学生でした。
成績もずば抜けてできるわけではありませんでした。理解できる内容の時と、そうでない内容の時の差は激しかったのですが、時には学年トップ20に入るくらいの実力はありました。
B子さんもやはり運動部に所属していました。
明るく活発で友達も多く誰とでも仲良くなれる。ただ勉強に関しては少し苦手なところがあり、どちらかと言えば成績は下位に近い方でしたが、こちらもよい意味で普通の女の子でした。
ある時からこの二人はお付き合いすることになりました。
二人とも友達が多かったこともあり、あっという間にその噂は広まっていきました。それは生徒の間だけでなく、先生たちにも知れ渡ってしまっていました。
成績
周りから好機の目で見られていた二人ですが、それぞれの性格のせいか嫌みな目ではなく、好ましい目で見てくれている人がほとんどでした。
二人ともそのような状況を特に気にかけることもなく、ごく普通に学生生活を過ごしていました。
B子さんはA君の事をもっと知りたいと思い、彼の友達の輪の中に進んで入っていったり、好きな音楽を一緒に聞いたりと、何にでも一生懸命取り組んでいました。
勉強の方も、もっと出来るようになってA君と同じ高校に行きたい、そんな風に思うようになっていました。
A君の方もムラはあったものの、今までと変わらぬ成績を維持していましたが、ある試験から続けて悪い点数を取った時がありました。
本人としては特に勉強を怠ったわけではなかったのですが、担任の先生が敏感に反応してしまいました。
ある日A君は職員室に呼び出され、成績に関して話をされました。当然Bさんとの付き合いに関してのことでした。
直接的には言われていませんでしたが、「付き合ったことで勉強に集中できなくなったのだろう」「勉強せずにどこかへ出かけているのだろう」「来年の受験に集中するように」など、暗に付き合うことを控えるようにといった内容でした。
本当に付き合いが原因だったのかスランプが原因だったのかはわかりませんが、担任の決めつけたような発言もあって、より勉強に身が入らなくなってしまいました。
逆にB子さんの方は本人の努力や元来の地頭力の強さもあり、急激に成績を伸ばしていました。
最初はA君と同じ学校に行きたいという目標でしたが、成績が上がるにつれて勉強をすることや覚えること自体が楽しくなってきていました。
そして受験が近づいてきたころには二人の成績は逆転していました。
見栄と素直さ
A君が成績を上げる一番の近道は、B子さんに勉強を教わることだったはずです。でもA君はそれをしませんでした。
今までの自分の成績との違いへの戸惑いや、自分よりも下の成績だったB子さんに勉強を教わること。更に、女の子に勉強を教わることへの抵抗(当時はまだ、男の方が立場が上、という考え方が残っていた頃でした)から、素直になることができませんでした。
B子さんの方も、本当は一緒に勉強をしていきたかったのですが、A君が感じているであろう周囲への体面に気を使い、自分から声をかけることはしませんでした。
そうしている間に二人の成績はますます大きく開いていってしまいました。
A君は志望校を決める際、本当はB子さんと同じところへ行きたいという気持ちがありましたが、もしも自分が落ちてしまったらかっこ悪い、という思いが強くなっていました。
B子さんの方も、学力が上がったことで、自分の行きたい学校を選択できる状況になっていました。
結局二人は別々の高校を志望し、それぞれ合格しました。
人それぞれ自分に合った勉強法はあります。ただ、一人だけでは、どうしても行き詰ってしまうことが多くなります。
そんな時、素直にわからないと言えることと、素直に教えてもらうという気持ちを持てることが大切だと思います。
ちなみにB子さんは、わからないところは理解できるようになるまでほかの人に聞いて回ったそうです。
変な体面やプライドは無くした方が良いのかもしれません。
Hpargjg著
因数分解の動画