同級生に影響を受けた話し

恋の試練?目指せ!大好きな彼女と同じ大学へ

恋の試練?目指せ!大好きな彼女と同じ大学へ

「受験」には、様々な目標があると思います。勿論、その大学や高校に入ることが目標ではありますが、その先の目的もあるのではないでしょうか?

その大学や高校にしかない部活動があったり、有名校だったり、はたまた自宅に近い学校が良いという目的もあるでしょう。

今回、私のある目標を持って始まった大学受験におけるお話をご紹介したいと思います。

私という人間と野望

恋の試練?目指せ!大好きな彼女と同じ大学へ

私は、高校3年生の時にある目標を持っておりました。

それは、当時私が気になっていた女性と同じ大学に行くという目標でした。もし彼女と同じ大学に入ることができたならば、今度こそ告白しようと決めていたからです。

私はそれまで恋愛にあまり興味が無く自分にも自信が無かったので、異性と付き合った経験も仲良くなった経験もありませんでした。

しかし唯一、こんな私と喋ってくれる女性がおりました。

彼女はIさんといい、とても気立てのいい女の子で誰とでも仲良くなれるようなそんな方でした。そんな彼女とこんな私がどんな話をするかというと、

「ゲームどこまで進んだ?」

「私ここまで進んだよ!いやぁー、やめれないよねこのゲームは!」

当時流行っていたゲームに私も彼女もハマっており、度々お互いに情報交換をしていたのです。彼女の趣味の中に「ゲーム」があるらしく、その話だけに関しては私も気兼ねなく彼女と話すことができました。勿論、高校3年生となるとゲームなんかやっている場合ではありませんが。

ひそかな想い

恋の試練?目指せ!大好きな彼女と同じ大学へ

私がIさんと同じ大学に行き、告白をしようと思ったのはある出来事がきっかけでした。

何と高校2年生の時に同じゲームをやっていたIさんと2人で遊ぶことになったのです。

遊ぶ目的は、当時やっていたゲームで出現する限定アイテムを専門店で直接受け取るためです。

その時Iさんはどう思っていたかは定かではありませんが、私は勘違いと分かっていても「デートだ!」と浮かれておりました。

しかし、私は女性とあまり喋ったこと経験が無いのものですから、その時に彼女とうまく接することができるか不安という気持ちも少なからずありました。

そんな私と当日の場所に待ち合わせて、着いた瞬間の彼女の言葉に私は驚くことになるのです、

「いやぁー、他の男子だとあれだけど、君とで良かったよー!さぁ、早く行こう!」

私はもう、ゲームの限定アイテムなんてどうでもよくなっておりました。

これも勝手な私の思い込みや勘違いと思えばそうかもしれません。それでも、私は彼女の言葉をチャンスであると思ったのです。

その後は二人でゲームの話で盛り上がったのですが、その最中に彼女からこんな質問があったのです。

「大学どこに行くかもう決めた?」

「いやまだだけど…」

私が予想外の質問にあまりうまく返せないでいると、彼女はこう言ったのです、

「同じ大学に行けたらいいね!」

今思い出してもその時の彼女の言葉の意味は、そんな恋愛絡みではなく、軽い気持ちで言ったのだと思います。

そして彼女のこの言葉は、私のある目標を生み出すきっかけとなったのでした。

恋の試練?

恋の試練?目指せ!大好きな彼女と同じ大学へ

いよいよ受験勉強が本格的になる高校3年生になった時、私はIさんからあることを聞きました。

「私、✖✖大学を目指そうと思ってるんだけど君は?」

Iさんが言った大学名は、私ではとても受かりそうにない所でした。

「僕は…」

私は、少し返答に困ってからこんな事を言いました。

「僕は、Iさんと同じ大学に行きたいな」

するとIさんは少しニコッとして、

「それじゃあ、お互い頑張らなくちゃね!」

とほほ笑んで返してくれたのです。

しかし何度も言いますが、私の学力と成績では受かる確率はかなり低いと予想できました。

当時、Iさんと同じ大学に行って告白するという私の目標は一気に崩れかかりましたが、それでも私は、一応頑張ってみようと心に決めたのです。

そして同じ大学を目指すことにした私は、少しでも受かる確率を上げるために、塾に通ってみたり、その大学の所謂「赤本」とよく呼ばれる過去問を勉強してみたりするのでした。

(彼女と同じ大学に行きたい)

私はその一心で勉強に励み、ついに受験当日迎えることになるのです。

その時私は、他の誰よりも緊張していた自信がありました。まるで本当にこれから命をかけて綱渡りをするような気でいたのです。何故かというと、もし落ちたら、私は精神的に破滅することになるからです。

私は、命をかけるような気持ちで受験に臨んだのでした。

受験の先で…

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試験結果の当日、私は愕然としました。

(自分の番号が無い…)

大学の入り口で自分の番号を何度も探しましたが、やはり見つからないのです。

私は、世界が終わるというより自分の生きる目的が潰えてしまったような感覚に襲われました。

たまたまIさんとは別の時間に試験結果を見に来ることになっていたので、その日の夜に電話で結果を報告し合うことになりました。

「まぁ、しょうがないよ。滑り止めは受かったんだからこれで大学生だし」

Iさんがそう言ってくれましたが、私は「うん」としか返せませんでした。

今思えばあの時、滑り止めにすら落ちていたらもっとひどい状況だったというのに、私は全てが終わってしまったような気になっておりました。そして、私はこんな事を彼女にボヤいてしまったのです。

「Iさんと同じ大学が良かったよ。好きだったからさ…」

そんな今思い出せば恥ずかしくて言えない言葉を私は呟くように言ったのです。

しかし、その後のIさんの言葉から思いがけない言葉を聞くことになるのです。

「でも、大学じゃなくてもまた会えるじゃん!」

私は、ふっと我に返りました。絶望が希望に変わったみたいな感覚でしょうか。そして、私は、ふとこんなことを口に出したのです。

「そうしたら、入学前まで日があるから「デート」…しませんか?」

そうしたら……….

「いいよ!」

私は、その時に倒れそうになるほどホッとしたのをよく覚えております。

その後、Iさんとは長く付き合い始め、今では同棲するようになりました。勿論、お互いのゲーム好きは今も健在です。

今でも私は思うのです。

もし彼女がいなかったら、大学の滑り止めさえ落ちていたのではないかと。

「受験の目標」は人それぞれですが、もし私と同じように好きな人と同じ大学に行きたいという方がいらっしゃったら、私は全力でその人を応援したいと思っております。

何故なら受験よりも、そちらの方がその人にとっては大切かもしれないからです。私がそうだったように。

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