同級生に影響を受けた話し

定年を迎えるおじいちゃん、人生の転機が今やってくる

私は65歳になる
お爺ちゃんです
60歳を栄えに
私の人生は輝き
心から充実していると
思えるようになりました

再会

60歳迎える年
中学の同窓会が
開催される事に
年を越える毎に
集まる友は少なくなって
皆体の不調や生活変化や
亡くなってしまった友も

懐かしい友に会えるのも
今年が最後と思い
私も参加することに

いつものホテル
時間より早くつき
ラウンジで時間潰しに
コーヒをたしなんでいると

「おい!久しぶりだな」

と聞き覚えのある
声に振り替えると
そこには心から
信頼する友が

「おう!久しぶりだな!
その後体調はどうだ?」

友は今年大腸がんを
患い大腸の3文の一を
切除していた

「不思議とガンを患う
前より元気なんだよ!
学校は今年定年退職だ。
後は年金で細々と妻と
田舎にでもって言っているよ」

友は学校の校長で
子供から大人
回りの人に親しまれている
人望の熱い人だ

顔色は良く表情も
穏やかになっている
そんな友を見て
なんだかこちらまで
穏やかな気持ちになった

同窓会では皆
孫の話や跡継ぎの
話、退職の話
そんな話がとびかった

「実は退職したら田舎で
習字でも教えよう
かと思っているんだ」

友が帰りのバスの中で
ポツリと言った

「人に教えること、これは
人から学ぶことだと思っている
これからも教え、学んで生きた」

学ぶこと、、、。
私には縁が無かった事だった

転機

私は中学卒業と同時に
家の家計を支えるため
仕事についた
同級生達は皆
当たり前のように
進学していった
羨ましかったが
仕事をすることは
楽しかった

車の整備士とし働きながら
資格をとった
資格を取ると給料も
変わり、役職もつき
益々仕事が楽しくなった

妻とも仕事上で
出会い結婚し
子供にも恵まれた

今年私は定年を迎える
定年し年金でと
思っていた

「ただいま」

と息子が孫と一緒に
久しぶりに帰ってきた

孫は今年受験だ
少し話をすると
ヘッドフォンをし
積み重ねられた参考書と
にらめっこしている

ふと参考書を手に取り
眺めてみた
息子の時の受験は
妻に任せっきりだった
もので見ても分からなかった
無論自分が受験と
いうものをしたことが
なかったからなのかもしれない

「じいちゃん見ても
分からないでしょ?」

と孫に言われた
なんだかとても気分が
悪かった、孫もそんな
つもりでない事は
わかっていたが
悔しくなった

家を出て本屋へ
同じ勉強をすると決め
参考書を手にレジへ

家に帰り妻に

「高卒認定試験を受ける」

と言うと妻は少し
笑いながら

「いいんじゃないですか」

とそれしか言わなかった

好機

それから時間を
つくり勉強をした
中学卒業以降
勉強は資格をとったとき
以来していなかった
そして歳と頭が参考書に
ついていかない
苦戦してはいるが
なんだかとても
楽しかった
学ぶことが楽しかった

認定試験日
机に向かい終了するまで
本当にあっという間だった

試験が終わっても
勉強は私の一部に

勉強をすることの
楽しさをもっと伝えたい
若者に伝えたい
そんなことを思っていた

結果が送られてきた
封を開けると
合格証書が入っていた

人生でそうそうない
喜びが溢れた
やりがいや達成感を
これほどに感じたことが
なかったのだ

導き

友の病状が思わしくないと
奥さんから連絡が入り
友のもとへ

「おう!久しぶりだな
元気か?なんだか
生き生きしてるな」

床に伏せている友は
痩せ顔色は青くなっていた

「おう。それなりにやってるよ
この前高卒認定試験を受けて
受かったんだよ!
久しぶりに勉学して
それがまた楽しくて
いまも何だかんだ
勉強してるよ」

そういうと友は
微笑みながら

「それはすごいよ!
なかなかできるもんじゃ
ないぞ!勉学を楽しむ
事は簡単な事じゃないからな
君が感じた勉学への
気持ちをできたら
これからを担う若者に
伝えてほしい、、、。」

そう言った友は
少し疲れたように
目をつぶった

友と話ができたのは
それが最後だった
少し早く
皆の所に旅だった

友が言った
言葉が頭から離れなかった

どうしたら勉学の
楽しさを伝えられるのか
模索していると
孫が諭してくれた

「じいちゃん高卒認定とったんなら
大卒と教員免許通信で
取れるからじいちゃん
先生になって勉強の
楽しさとか伝えてあげたら」

と色々調べてくれたようだ
何をするにもやはり
若者は早いし視野が広い
分情報量が違う

孫から聞き自分でも
色々調べてみた

大学に通うより費用が
少なくすむことや
大卒と資格が両方
とれることが分かった

「大卒と教員資格を通信で
とろうと思うんだが」

と夕食の時に妻に
伝えた
妻は少し微笑みながら

「いいんじゃないですか」

と一言言った

輝き

通信で勉強を始め
課題を提出する事に
慣れ始めた頃
実習をする事になった

実習先を友の着任先
であった学校にした
なんだか友がそこで
待っているように
思えたからだ

実習初日
職員室に入るやいなや
ざわめきが聞こえた
高齢の実習生なんて今まで
かつてなかったであろう

「始めまして
私校長をしております
実習お疲れさまです
素敵な実習生を迎えられ
嬉しく思っております
どうぞよろしく
お願い致します」

と丁寧にあいさつしてくれ

「あなたのような方から
学ぶことは多い事でしょう
私も学ばせていただきます」

その言葉に実習への
不安は飛んでいきました

実習は実際の教育
現場を体験でき
教師を疑似体験できた

自分達の子供の頃の
教師像とはかけはなれていた
それでも現場の
先生方の子供を思う
心は昔も今も
変わりのないものだった

実習を終えて
課題や論文など
慌ただしい日々が過ぎ
試験も終了し結果を
待っている

「手紙届きましたよ」

妻が差し出したのは
通知書だ

恐る恐る封を開け
確かめる

そこには
合格
の文字が

「合格だ、、、」

声に出したら
実感がました
そして文字が涙で
歪んでいた

伝える

無事資格を取り
今は実習先であった
学校にて臨時職員
をしながら勉学の
楽しみを日々伝えている

私は勉学の楽しみ
そしてやってみること
の大切さも伝えたい

やった後悔より
やらない後悔ほど
悔しいものはない

私ができたのだから
君たちにもできると
出発はいつでも
できるんだと

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