中等部から高等部へ

私は今高校3年生。
まさに受験生だ。
小さい頃から漠然と、大学に行くものと言われて育った。
中学は受験をして、中高一貫の進学校に進んだ。
中高一貫校の生徒にありがちなのが、高校受験がないことからくる「中だるみ」。
私もご多分に漏れず、中だるみをした一人だ。
中学受験の勉強は、それ程苦労しなかった。
学校のレベルがあまり高くなかったからだ。
しかし中学に入ってみると、成績が上の子と下の子の学力の差に愕然とした。
初めはあまり勉強をしていなくてもいい成績が取れた。
そのことにいい気になり、なめてかかってしまった。
そのため成績はみるみる下がった。
私の学校は中高一貫校なので、高校への進学は保証されていた。
高校は地元でも進学校で知られている。
そして高校になると、大半は他の公立中学からくる「外部生」になる。
その「外部生」との学力の差を測るために、私たち内部生も一応入試受けて高校へ進学した。
しっかりと高校受験の勉強をしてきた「外部生」と、のほほんとしてきた「内部生」での差は大きかった。
高校生になった私の成績はちょうど真ん中ほどだった。
私の学校は「S特進クラス」「特進クラス」「進学クラス」に分かれる。
当然私は「進学クラス」だった。
成績が伸びれば翌年は上のクラスに入れたので、親からは一つでもクラスが上がれるようにと言われていた。
将来の希望

中学から高校に入るころまで、私は将来の希望を決められずにいた。
何がしたいのかわからなかったのだ。
小さい頃から、母に連れられて「ミュージカル」を見に行っていたので、「ミュージカル女優」になりたいとかいう、儚い夢はあったが、それが現実的ではないことは分かっていた。
そんな「どうしたらいいかわからない」状況の時、「新型コロナウイルス」の流行が始まった。
高1の頃は、学校の成績だけでも頑張って、指定校推薦で大学に行ければいいなと思っていたのだが、この「コロナ」の流行ですべてが狂った。
「コロナ」の影響により学校が休校することになり、3学期の定期テストは中止になった。
それから3か月、学校にも塾にも行けず、自習をする以外勉強ができなくなった。
私の塾は幸いにも、もともとオンライン授業だったので、塾の授業は家でも受けることができた。
塾の勉強を勧めながら私は将来を考えるようになった。
今まで漠然としていた将来についてだ。
何がしたいのか、何ができるのか。
そのために大学はどうしたらいいのか。
毎日考えているうちに、だんだんと自分の取るべき道が見えてきた。
進路決定

休校中は時間もかなりあったので、大学や仕事についていろいろ調べることができた。
どこの大学に行きたいのかが決まると、どういった受験をすればいいのかもはっきりする。
そうして進路がはっきりとしてきたとき、学校が再開された。
新しいクラスは前の学年の実力テストの結果で決まる。
1年の時はあまり成績が伸びなかったので、2年も普通の「進学クラス」だった。
しかし2年になって初めての実力テストで、私は飛躍的に成績が伸びていた。
「S特進クラス」にも入れるような順位だった。
こうなると気分も上がり、希望も出てくる。
まずは指定校推薦を考えた。
しかし私が希望する大学、学部は、これまでの指定校推薦にはなかったので、あまり希望はないと考えた。
自己推薦やいわゆるAO入試も考えたが、1年の時にあまり努力しなかったことが災いして応募基準に足りない。
「結局一般入試でトライするしかない」
こうして私は推薦には頼らず、一般入試で受験をすることに決めた。
受験勉強

学校の再開とともに塾も再開となった。
塾の先生とも相談し、受験までの対策を練った。
まずは「共通テスト」対策、それから「志望校対策」。
私は理系なのだが、行きたいと思った学部は文系。
社会は世界史受験を決めたのだが、これまで世界史には全く興味がなかったので、一からのスタートだ。
数学は得意なのだが国語は苦手。
まさに自分から苦しい道を選択した状態だ。
あれから約1年。
世界史は勉強の甲斐あって、面白くなってきたが、やはり国語の苦手意識が残っている。
2年の時に頑張った事が功を奏して、私は無事に「特進コース」に上がることができた。
今のクラスは、1,2年の時と違い、皆真面目に勉強をしているし、授業の進度も速い。
自然と私も以前よりも頑張るようになった。
2月の一般入試本番までの大切な今の時期を、出来る限り精いっぱい勉強し、本番に挑もうと思っている。
wingral著
因数分解の動画