同級生に影響を受けた話し

友人は最大のライバル!彼女が教えてくれた大切なこととは?

体を動かすのが大好きな私

私は昔から体を動かすのが好きなタイプ。

休みの日には家族でキャンプに行ったり、冬にはスキーに行ったり、自然の多いところで遊ぶのが大好きでした。

勉強のほうは正直あまり好きではなく、親も「平均点取れてたらそれでいい。」という方針だったため、勉強をするといっても学校の宿題程度。

宿題が終わったら、日が暮れるまで外にボール遊びをしに行くような、そんな子供時代を送っていました。

友人でありライバル

そんな私の前に人生を変えるほどの人物が現れたのは、小学校五年生の時。

私の学校は高学年からクラブ活動に入るのが必須で、私はそこでバドミントン部に入ることにしました。

そこでバドミントンと一緒に出会ったのが、隣のクラスの千尋でした。

千尋は私と性格がそっくり。

千尋も同じことを感じたようで、私たちはすぐに仲良くなりました。

ペアで練習する際も、基本的にずっと千尋と一緒。

最初はキャッキャとはしゃぎながら二人で楽しく練習していました。

練習して慣れてくると、初めて二人で対戦することになりました。

対戦となるとお互いに真剣になる私と千尋。

互角の戦いでしたが、最後には千尋のスマッシュが決まり私は負けてしまいました。

そこで私は生まれて初めて、心の底から“悔しい”という感情が芽生えました。

その感情はバドミントン以外でも現れます。

テストで千尋より悪い点数を取ると悔しさをバネに、次こそは千尋に勝つ!と気合が入りました。

いつしか千尋も私と同じように感じるようになっていたようで、お互いにライバルとして切磋琢磨するようになりました。

負けず嫌い

中学生になると、千尋は塾に通い始めました。

すると私と千尋の成績はみるみる差がついていきます。

(これはマズい……。私も塾に通いたい!)

焦った私は親に塾に行きたいと相談しました。

しかし私の家はあまり金銭的な余裕がありません。毎月高額な授業料を払って塾に行くなんてことはできませんでした。

私は塾に行けないこと、千尋に追いつけないことにもどかしさを感じました。

いつしか私は、友達として話しかけてくれる千尋を無意識に避けるようになってしまいました。

 

毎日暗い顔で学校から帰ってくる私はある日、母親に言われました。

「アンタは千尋ちゃんに勝ちたいのか、今より成績を伸ばしたいのかどっち?塾に行ったって千尋ちゃんに勝ちたいだけなら、成績なんてそれ以上伸びないよ!」

私はその時気付きました。

今まで千尋に勝つことだけしか考えず、その先のことは全く考えていませんでした。

それではもし千尋に勝った時、それ以上の成長ができません。

私は自分を見つめなおし、自分の目標を立てることにしました。

まずは授業をしっかり聞いて、覚えなければならない基本を叩きこむこと。

数学の方程式や、英文法。歴史の出来事や古文漢文など、中学生は覚えることがたくさんあります。

私は覚えなければならないことは全部暗記ノートに書き写し、いつでも見て覚えられるようにしました。

すると私の成績はどの教科も徐々に上がっていきました。

しかしそれで対応できるのは基本的なものだけ。難しい応用問題になると、手が付けられない状態。

 

そんな私の状況を変えてくれたのが、友人の千尋でした。

難しい数学の問題に頭を抱えている私に、

「その問題、塾でやったから教えられるよ!」

と話しかけてきたのです。

今まで無意識に千尋を避けていたにもかかわらず、千尋はいつもと変わらずニコニコと接してきてくれました。

千尋は塾で使っている教科書を学校に持ってきていて、同じような問題が載っているページを私に見せてくれました。

それを私と一緒に説いてくれる千尋。

友人と勉強するのは自分一人でやるよりもはかどるもので、気づけば下校のチャイムが鳴るほど夢中になっていました。

同じ高校へ

進路相談で私は、偏差値の高いA高校に行きたいことを告げました。

そこに行きたい理由はバドミントンが強いと有名だったから。

正直学力は足りていなくて、少し無理をしないといけないくらいの偏差値。

このままいけるだろうか、頑張れるだろうかという不安を抱えていると、奇跡的なことが起こりました。

お互いに進路について話し合ってもいなかった千尋もまた、同じA高校を志望していることを知ったのです。

これには私も千尋も驚き、そして嬉しい気持ちになりました。

 

その後も私は千尋と一緒に、A高校合格に向けて勉強を続けました。

私の苦手なものは千尋が教えてくれて、私の得意なものは千尋にも教えてあげて……。

お互いに支え合った受験勉強はどれだけ辛くても乗り越えられる、そんな気持ちにさせてくれました。

 

私と千尋は無事A高校に合格し、そこで共にまたバドミントン部に入り切磋琢磨しています。

私が自分を見つめる大切さ、友人を大切にする重要さを知ったのは千尋のおかげです。

これからの人生、迷うことは多いでしょう。

それでも冷静に自分を見つめ、周りの人をないがしろにせず感謝の気持ちを持ち続けようと、今回学んだことを心に刻んでいこうと思います。

 

kkelpj著

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