家庭教師にお世話になった話し

仕事辞め崖っぷちの俺を救い出したのはあの出来こと

私は30歳未婚
おじさんだ
私は26歳の時に
大学に入学し
資格を取り今
建築士をしている
毎日お客さんに会い
話をしプランをねる
仕事をすることが
嬉しくてたまらない
こんなことを思うなんて
夢にも思わなかった
高校三年夏
回りは進学する人
就職する人で夏休みの
過ごし方が真っ二つ
私は就職を希望し
内定をまらっていたので
結構優雅な夏休みを
おくっていた”来週じいちゃんとこ行くぞ”父さんの一言
うちはたいていこの
一言で色々な事が決まる”来週バイトなんだけど。
ってか早く言ってくんない”そう言った俺の顔を父は
見向きもしないで居間を出ていった
休むしかないようだじいちゃん家に行くのは
ずいぶん久しぶりだ
じいちゃんは頑固な
地元じゃ有名な宮大工だ”ただいまー”父の声に家の奥から
じいちゃんが出てきた
70になるのに軽やかに
すたすた歩く”おー。よくきたなー
疲れたろー。あがれあがれ”じいちゃん家はじいちゃんが
自分で設計して自分で
建てたらしい
酒を飲むたび聞かされた”一颯は何歳になった?”じいちゃんの低くて
優しい声が好きだ

”高校三年だよ”

じいちゃんは少しビックリしたよう

”あれ、もうそんなになるか
じゃばあちゃんが亡くなって
17年になんのか、、、”

少し寂しそうだ
じいちゃんはばあちゃんが
大好きだったって
自分で言うほど
大切にしていた
昔では珍しい恋愛結婚だったって

ばあちゃんは台風の災害に
巻き込まれてなくなったと
聞かされた
ばあちゃんの命日
皆で墓参りに行く
じいちゃんはいつも
庭の花を手一杯摘んで
ばあちゃんのお墓に
お供えする
ばあちゃんが大事に
育てていたそうだ

”一颯ちょっとこい”

帰る日の朝
じいちゃんが朝早く
起こしに来て
どこかにつれていく

そこは近所にある
神社についた
神社に入った瞬間
空気が変わった
真夏なのにひんやりしている

”さむっ”

思わず声に出るほどだ

”じいちゃん、朝からお参り?”

私の声は聞こえていないようだ
すたすた歩いていってしまう

”ここはじいちゃんが
初めてたてた所だ
ばあちゃんに初めて会ったのも
ここだった、、、”

そう話ながら階段に
腰かけた

”じいちゃんはな
建物ができて終わりじゃ
ないと思ってる。そこに住む人
その人たちが建物に命を宿していく
そう思っている”

じいちゃんは目をつぶり
静かに話した
じいちゃんはこの夏
現場の足場から転落して
亡くなってしまった

高校を卒業と同時に
ハウスメーカーに
就職した
家で人を幸せに
と夢をみて
でも現実は残酷だった

営業で顧客をとり
半押し売りのように
家を進め契約をとる
お客の幸せなんて
考えもしないで

”なんのために家を売っているのか”

一度考え出すと
もとの生活に戻れなかった
じいちゃんとの最後の
会話が頭を埋め尽くしたとき
辞表を出していた

25歳の息子が無職
だなんて親には
言えなかった

じいちゃんと話した
神社に足をはこんでいた
あの時と変わらず
ひんやりした空気に
包まれている

”こんにちは”

神社の神主が声を掛けてくれた
たぶんじいちゃんと同じ年
ぐらいだ

”ここは宮大工の方が
手掛けてくれたんですよ
人の暖かさが滲み出て
心が安らぐ”

その言葉が心にしみた
涙がこぼれた
じいちゃんが大切にしてきた
思いがこうして伝わっている
じいちゃんはやっぱり
偉大だ

人を幸せにする家を
作りたい
幸せの手伝いをしたい
目標ができた

一級建築士の勉強を
し資格をとるため
25歳の受験勉強
学生の時と違い全然
頭に入ってこない
早くも壁にぶち当たった

一人では限界があった
従兄弟の子供が今年
受験と聞き半分授業料を
払う約束で一緒の家庭教師
に勉強を教えてもらった

受験日
なぜか緊張はしなかった
ワクワクしていた
今までの事
これからの事
いろんな記憶が沸き上がってきた

無事なんとか
資格をとる事ができ
今の仕事ができている
人生いつでもスタートに
たてる事ができる
そんなことを感じた

toron著

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