中学受験の話し

親に乗せられた中学受験~かわいい制服に憧れて~

小学4年、塾に行く

これは私が小学生の時に経験した受験の話です。

私の母は、勉強にとてもうるさい人でした。

小さい頃から「くもん」に通い、難しくてできなくて泣いていると、

「泣いたってできるようにならないんだから、よく考えてやりなさい!」

と怒られていました。

学校での勉強はというと、国語は少し苦手でしたが、クラスの中では比較的出来る方だったと思います。

 

小学校4年生くらいの時、母に言われて塾に行くことになりました。

と言ってもその塾はいわゆる「補習塾」で、学校の予習・復習が主な指導内容のものでした。

私が住んでいたところの近くには、「進学塾」というものがなかったからです。

とはいっても元々私立受験を考えていたわけではなく、学校の勉強が分からなくならないようにと行き始めた塾でした。

可愛い制服

まだ小学校4年生だった私は、中学のことなど全く興味はなく、ただ親に言われたからという感覚で塾に通うようになりました。

週に2回45分ずつの授業でした。

私が通うようになった塾には、小学生以外にも、中学生や高校生も通っていました。

その中にとても可愛い制服を着た中高生がいました。

その時はそれがどこの学校なのかは知りませんでした。

ただ、可愛いものが好きな私は、

「あの制服いいなあ。」

と思っていたくらいでした。

そんなある日、母がこう言ってきました。

「あの制服可愛いよね。着てみたいと思わない?」

「うん!」

私は深い意味は考えずそう答えました。

この一言で、私は中学受験をすることになったのです。

中学の選択

その後母から、その中学に行くには「受験」というものをしなくてはいけないということを聞かされました。

とはいえ、私の大好きだった従兄のお兄ちゃんも、中学受験をして私立の学校に行っていたのは知っていたので、「中学に試験を受けて入る」ということへの抵抗はあまり感じませんでした。

私の地元では、ほとんどの友人が地元の中学に進むのですが、なぜか私は皆と同じ中学がいいという感覚はほとんどなく、「可愛い制服が着たい」という気持ちが勝っていました。

こうして私は、中学受験をする方向で、塾でもそれを前提とした勉強をすることになりました。

受験勉強

私立中学といっても、私の実家から通える私立中学は一つしかなく、入試もそれ程難しいものではなかったので、その時通っていた塾でも対応は可能なものでした。

そのため、5年生の中頃まではあくまで学校の勉強をメインで、少し難しめの問題も同時にやっていくという感じでした。

5年生になると、1回45分だった塾の授業も90分になり、だんだんと勉強に費やす時間が増えていきました。

こうした塾での勉強が功を奏して、学校の勉強は難なくこなせていました。

そのため、あまり危機感もなく日々を過ごしていました。

普段は塾では勉強をしても、家では宿題程度しかしていませんでした。

そうこうするうちに、6年生に2学期を迎えます。

受験追い込み

6年生の夏休みが開けると、塾でも受験に向けた勉強が始まり、志望校の過去問を実際に解くようになりました。

実際の受験問題を解いてみると、それは学校での勉強など比べものにならないほど難しいものでした。

自信のあった算数でさえ、意味が分からないというほどでした。

それでも学校説明会で聞いていた合格ラインには達していたので、自分では「大丈夫だろう」と高をくくっていました。

しかし、私の解いた過去問を見た母は、烈火のごとく怒りだしました。

「こんなので受かると思ってるの??」

そこから家での母の厳しい指導が始まりました。

塾での勉強に加え、家では母が勉強をチェックします。

とにかく過去問を解くという毎日です。

私は友達と遊ぶこともできなくなり、毎日泣きながら勉強をしていました。

私の志望校は入試が12月と早かったため、それまでの3ケ月はとにかく受験優先の生活でした。

受験を終えて

そんな毎日を送り、いよいよ受験本番です。

もともとレベルの高い中学ではなかったのですが、やはり試験に失敗すれば合格できません。

最低限の問題は解けるようにしたものの、

「もしも失敗したらどうしよう・・・。」

という不安を抱えながら試験に向かいました。

小学生ながら、失敗して地元の中学に行くのは恥ずかしいという思いもありました。

実際の入試を受けた感想は、過去問と同じくらいは出来ただろうというものでした。

とはいえ、

「もしも書き間違いをしていたらどうしよう」

という不安を抱えながら合格発表を待ちました。

合格発表は郵送での通知ということだったので、発表当日も私は普通に学校に行っていました。

学校が終わり下校しようとしていると、母が迎えに来ていました。

「どうっだった??」

私は言いようのない不安に襲われました。

「合格したよ!」

その母の一言に飛び上がって喜びました。

同級生の中にはほかに4人ほど同じ中学を受験しましたが、無事皆合格。

一緒に受験した友人と喜び合ってほっとしたことを憶えています。

 

こうして私の中学受験は終わりました。

しかし、実際に進学した中学は、優秀な生徒とそうでない生徒の学力に差があり、適当な受験勉強しかしていなかった私は、完全に「井の中の蛙」で、成績を維持するのにとても苦労しました。

今思うことは、小学生の時にもう少ししっかりと勉強をしていればよかったということです。

しかしこれは「後悔は先に立たず」。

小学生にして人生を学んだ経験です。

wingral著

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